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練習紹介ブログ

男子 上田染谷丘

取材日:9月22日

県立の強豪・上田染谷丘は激闘の末、悔し涙とともにピッチを後にした。8月26日の県選手権1回戦で田川を相手に3-3の熱戦を繰り広げ、延長戦からのPK戦の末に敗れる結果となった。

 ポゼッションサッカーを志向する上田染谷丘。試合ではやや優勢にボールを運びつつ、田川のロングボールをいとわないプレーに苦戦。前半2分に先制を許し、終始追いつけ追い越せの展開が続いた。ラストプレーとなったFKでDF関晧介が劇的同点弾を決めて延長戦へと持ち込むも、決着はつかないままPK戦にもつれ込み2-4と敗れた。

 「最後で崩しきれず、ゴールへの意識が足りなかった」。新キャプテン・飯島新之亮は試合を振り返り、 「自分たちの工夫が足りなかった」と悔しさをにじませる。就任3年目・金子聡監督は「どんな場面でも対応できるような守備力をつけたい。優先順位や決め事などを作って、チームとしてパターンを組み立てていく必要がある」と、守備面での課題も口にした。

 総体後に代替わりしたチームは現在1、2年生のみで構成され、夏休みには県外での合宿もおこなうなど充実のトレーニングを重ねる。「ひとりひとり光るものがあるが、皆がまだ同じ方向を向き切れていない」と金子監督。チーム力を高めるため、「学年に関係なくコミュニケーションは大切にしたい」という飯島キャプテンは、ピッチ内外を問わず皆に声をかけるよう心を配る。「ポゼッションサッカーにこだわりたい」と、スタイルの定着を目指す。

 新チームはここまで公式戦未勝利。「苦しい時期だが、まずは1勝したい」と金子監督は力を込める。「これからのトレーニングをしっかり積んで、来年結果を出したい」と飯島キャプテンも前を向く。芽吹きの春に向けて、ひたむきに爪を研ぐ。

金子聡監督 インタビュー

——選手権での手応えはいかがでしたか?

金子:相手がどうこうではなく、自分たちの全力を出すように、と送り出しました。延長戦まで持ち込んで、最後まで全力で戦えたことはすごく評価しています。とはいえ「勝ちきれない」っていう部分にチームとしての課題が見えたので、次に繋げていきたいですね。負けは悔しいですが、チームとしてそこにどれだけ向き合えるか、だと思います。

——今後のチーム作りについて、監督の方針は?

金子:基本的には「主役は選手」なので。染谷の伝統として、選手たちが自ら話し合ったり方針を決めて行ったりする雰囲気ができています。なので、私としては「サッカーを楽しんで欲しい」というのが一番ですね。もちろん勝利を求めて得られるものもたくさんありますが、前向きにチャレンジする気持ちをサッカーから学んでもらいたいですし、そういう環境を作るのが私の仕事だと思っています。

——現在のチームの特色はありますか?

金子:引退した3年生には規格外の選手が多かったんです(笑)。経験値も高いし、技術的にも秀でた選手が多かった。それを思えば、今のチームは年相応という感じです。決して悪いことではないですし、サッカー経験豊富な柳澤(隆平)先生が今年から副顧問に就いたので、協力しながらチーム作りをしています。

——チームの目標は?

金子:公立校でベスト8というのは、やはりひとつ大きな目標になりますよね。私としては来年の選手権でその結果が理想ですね。そのためにはサッカーも勉強もがんばって欲しいなと思います。

——今後の具体的な方向性は?

金子:リーグ戦や新人戦など、目の前の一試合一試合を大切に、まずはこのチームで1勝したいです。「何となく勝った」ではなく、皆で同じ方向を向いて勝利を積み重ねていって強くなりたいです。

——選手たちへの思いや、願いはありますか?

金子:「サッカーを楽しんで、チャレンジしてほしい」という気持ちが一番なので、選手たちにとってサッカー班が「いつでも帰って来られる場所」であって欲しいです。

金子聡監督

飯島新之亮キャプテン インタビュー

——選手権での結果をどう受け止めていますか?

飯島:正直、めちゃめちゃ悔しくて。夏休みの遠征や、練習試合を積み重ねて、皆で課題克服に取り組んできた中で結果が出せなかったことが悔しいです。でも、逆に言えばこれからが勝負だと思うので、大きく変わるチャンスだと思っています。

——今後、どんなチームを目指していきますか?

飯島:どんな場合でも「ポゼッションサッカー」は貫き通したいです。そのためにもコミュニケーションが大切だと思いますし、2年生が少なくて1年生も試合に出ているので、学年に関係なくお互いに話をしていきたいですね。練習の合間や、ピッチ内外に関係なく声をかけるように意識しています。先輩たちがそうだったので、自分たちも見習っている感じですね。

——先輩たちから引き継いでいきたいものは?

飯島:サッカーに関わる姿勢は見習いたいです。技術はもちろん、話している内容も質が高くて、聞いているだけでも勉強になりました。試合の場面での対応のしかたや、具体的なテクニック、コミュニケーションの取り方など、他の人にも教えたい気持ちになるようなアドバイスをもらいました。そういう姿を目指していきたいですし、いずれは超えていくことを目標にしています。

——チームの目標は?

飯島:県総体ベスト8です。今までの先輩たちより高い記録を出せるようにがんばりたいので、勝てるチームになるように自分たちで厳しくやっていきたいと思います。個々の能力を伸ばすことも課題だと思っているので、練習メニューで「何を意識して、どうなるのか」を常に考えていきたいですし、「どんどんチャレンジしていく姿勢」も、試合に限らず普段から大事にしていきたいです。

——来年の総体や選手権では、どんなチームの姿になっていたいですか?

飯島:どんなチームと当たっても、自分たちのスタイルを崩さずに自信を持って戦えるようなチームになっていたいです。

飯島新之亮キャプテン

取材・撮影/佐藤春香