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県内外の強豪高が信州に集い、熱い夏を過ごした。8月11日〜14日の4日間、松本サマーサッカーフェスティバル「CLIMAX杯」が開催。県内各地でカップ戦と交流戦を行い、カップ戦は清明学院(大阪)が優勝を果たした。

県外からの参加校は、今夏の全国高校総体で準優勝した帝京(東京)や2020年の全国高校選手権王者・山梨学院など。県内からは松本国際や都市大塩尻、松商学園などが参戦した。カップ戦は22回目、交流戦は32回目。都市大塩尻の高橋裕之総監督は「今年は初めて来ていただく強豪校もいて、我々としては県内にいながら貴重な経験ができた」と振り返る。

印象に残ったチームについて、高橋総監督は真っ先に帝京の名を挙げる。全国総体を戦ったフルメンバーではなかったが、登録選手も数人出場。「技術がしっかりとしているのはもちろんだが、勝負に対する執念を感じた」と話す。都市大塩尻は3勝1分3敗で、16チーム中9位。「サッカーの質やスピードの違いを直に感じられた」と前を向き、今秋の県選手権に向けて糧にするつもりだ。

高校生にとって、夏場は対外試合を積む重要な時期。近年はコロナ禍で思うように進まない部分もあるが、「いろいろな挫折を経験して這い上がることが大事。それはサッカーだけでなく、今後の人生にも役立つ」と高橋総監督。交流戦を含めると、今大会には県内の15校が参加。長野県の高校サッカーを底上げする意味合いも込めた。

全国大会において、長野県勢は2019年度の松本国際以来、4大会連続で初戦を突破できていない(2020年の総体は中止)。髙橋総監督は「長野県の高校生が全国で結果を出せば、中学生や小学生にも希望を与えられる。上田西が4年前に選手権ベスト4に入っているし、県外と比べて技術的に劣っているわけではない」。

その中で差に挙げたのが、全国レベルでの経験値。「こうして県外のチームと対戦することで、選手も指導者も悩んで開拓していく。指導者はサッカーを教えるだけでなく、そういう環境も整えていかないといけない」と課題を口にする。全国レベルを肌で体感する機会が増えれば、日々のトレーニングの水準もおのずと上がっていくことだろう。

今回から、雑誌「長野県高校サッカー CLIMAX」が協賛して開催。本誌第2号は前回同様、県高校総体、高校サッカー選手権県大会、高円宮杯U-18県リーグ、女子サッカーを網羅して来年2月1日に発売する予定。

取材/田中紘夢