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練習紹介ブログ

男子 松本深志

取材日:6月27日

総体でまさかの地区予選敗戦を喫した古豪・松本深志。雪辱を胸に臥薪嘗胆の日々を送る。

 中信地区予選2回戦、松本美須々ヶ丘との対戦は1-1でPK戦までもつれ込み、2-4と敗れた。就任2年目となる卯之原勇輝監督は「2週間前にリーグ戦で戦った相手でもあり、対策は出来ていた」と、予想外の結末に歯噛みする。今季主将の神原洸斗(3年)も、「全員が悔しさを抱えている。選手権ではかならず『打倒私立』を成し遂げたい」と意気込み、冬への意欲を示す。

 決意の裏には、長期離脱中のエース新村陸(3年)の存在がある。昨年9月に左内側側副靭帯断裂で全治3ヶ月の重症。復帰に向けて取り組んだ同年12月に左前十字靭帯断裂と涙をのんだ。 長期間のリハビリに耐え、復帰を誓う新村を突き動かすのは、「選手権で活躍し、支えてくれた皆に恩返しをする」という意志。共に戦うため、3年生13名のうち10名が残って選手権出場を目指す。

 思い出されるのは、昨季たった1人で選手権まで残った3年生・備前公雅の姿。先輩の背中を受け継ぎ、手を取り合って「打倒私立」の闘志を燃やす。

卯之原勇輝監督 インタビュー

――就任2年目になりました。昨季との違いはありますか?

  手探りだった昨年と違って、自分達のやりたいことや立ち位置を明確にしつつ整理できた状態でやれています。 昨年は個の突破力に秀でる選手が多かったですが、今年のメンバーはこちらが提示したことに対してすごくポジティブに取り組むので、方向性をそろえてレベルアップに繋げていきたい。奪い方や得点の方法など、技術的なことを具体的に説明するようにしています。

――総体での結果はどう捉えていますか?

 とても悔しい敗戦でした。ペナルティエリアに入る回数が少なく、点を取れなかったことは課題ですね。今は映像でゴールシーンを分析したり、各場面でどう考えて動いたらいいのかを具体的に落とし込んだり、イメージを共有しつつ実践していく練習をしています。

――卯之原監督の思う「松本深志」はどんなチームですか?

 選手が主体的に考えて、自分の中で答えを出しながらプレーをするチームであってほしいと思います。学業も大変ですが、良い相互関係にあるのが望ましいですね。部活があるからこそ勉強を頑張れる、というように、両方ともバランスよく全力でやり切ってほしいです。

――「打倒私立」に必要なことは?

 一番は「守れること」。私立相手にゲームを支配することは難しいので、ボールは握らせつつもゴールを割らせないことです。個々の能力で劣るからといって必ずしも負けはしません。とはいえ、勝つためにはまず点を取れないといけないので、得点の形を作りながらも、耐えて守る、というのが理想です。

――選手権の目標は?

 抽選次第にはなりますが、昨年の結果を超えるという意味でも4回戦突破を目指します。どこで終わっても、3年生が「やりきった」と泣きながら笑っている姿を見たいと思っています。

卯之原勇輝監督

神原洸斗主将&新村陸選手インタビュー

――選手権まで残るという決断の理由は?

神原:総体で結果を残せなかったことがまず1つ。「打倒私立」を達成したいという思いです。もう1つは、陸と一緒に選手権を戦いたいからです。陸がそこを目標にリハビリを頑張っていて、その姿を見て皆が自然に決めていました。

新村: 怪我をしてすぐに、目標を選手権に定めました。自分が活躍している姿や、チームが勝つ姿を常にイメージしながらリハビリに取り組んでいます。選手権に賭ける思いは人一倍強いと思っていますし、そのために頑張っています。

――昨年の3年生は備前先輩1人が選手権まで残りました。背中を見て感じたことは?

神原:影響は大いにあります。備前先輩が残っていなかったら、今年の皆がこんなに積極的には残らなかったと思います。

新村: 備前先輩は「強い深志を取り戻すためには、3年生も選手権まで残ってもらいたい」という意思を示してくれました。存在は大きかったです。

――総体での敗戦をどう受け止めましたか?

神原:まさか、という思いで、なかなか立ち直れない時間が長かったです。今はもう切り替えて「倒す」ことしか考えていないです。

新村:悔しさは相当大きかったです。でも、「絶対にリベンジする」という思いに変えて、その先にある「打倒私立」のマインドへ持っていきました。

――「打倒私立」のために意識していることは?

神原:「球際で負けない」「気持ちで負けない」「チャンスを仕留めきる」。この3つです。

新村:僕はメンタル面が大事と思っています。相手を前にしても怯まずに、練習でやってきたことを出していければ勝てると思います。全員が私立レベルの技術ではないので、チーム全体として試合に勝つことです。気持ちの強さは皆が持っているので。

――選手権に向けての意気込みをお願いします。

神原:「打倒私立」「公立ナンバーワン」という目標のために、今まで悔しい思いをしてきた先輩方のぶんまで頑張りたいです。僕個人としても怪我に泣かされることが多くて、思い描いていたプレーをできていない。チームに迷惑をかけてしまっているので、選手権ではそれを取り返せる活躍をして、チームを勝利に導きたいと思っています。チーム内得点王を目標に、キャプテンとしても引っ張っていきたいです。

新村:「打倒私立」の目標を達成して、皆で強い深志を取り戻します!ここまで来ることができたのは、仲間や先生方、トレーナーや家族など、いろんな方々に支えてもらったから。選手権では活躍を見せて恩返しをしたいです。

左:新村陸選手 右:神原洸斗主将

取材・撮影/佐藤春香